質の良い栄養摂取には「サプリメントより医薬品」を選ぶべき理由
巷にあふれるサプリメントの現実|本当にその品質、信頼できますか?
健康意識の高まりとともに、ドラッグストアやインターネット上には数えきれないほどのサプリメントが並んでいます。
手軽に栄養補給ができる点から多くの方に利用されていますが、残念ながらその大半は、私たちが期待するほどの品質や効果を持っていないのが現実です。
一般の消費者が、膨大な情報の中から本当に質の良いサプリメントを見極めることは、非常に困難な状況と言えます。
では、私たちは一体どのようにして、安心して体に取り入れられる栄養補助食品を選べば良いのでしょうか?
私の結論は明確です。
それは、「サプリメント」よりも「医薬品」を選ぶべきである、ということです。
医薬品であれば、その品質、安全性、そして効果・効能に関して国が定めた厳しい基準をクリアしているので、私たちはより安心して利用することができます。
なぜ医薬品が信頼できるのか?|品質と安全性の違い
医薬品は、サプリメントとは根本的に異なる基準で製造・管理されています。
この違いが、私たちが医薬品を信頼できる最大の理由です。
まず、医薬品はドラッグストアや薬局で手軽に購入できます。
特に、ビタミンやミネラルを補給したい場合であれば、市販の「一般用医薬品」の中に多くの選択肢があります。
パッケージに「第〇類医薬品」と明確に表示されており、その種類によって、薬剤師や登録販売者がいる店舗でしか購入できない、というのも医薬品の大きな特徴です。
例えば、疲労回復に役立つビタミンB群であれば「チョコラBB」や「アリナミン」、美肌効果が期待できるビタミンCには「ハイシー」、老化防止に役立つビタミンEには「ユベラ」といった医薬品があります。
ここで重要なのは、同じ商品名であっても「医薬品」と「食品(サプリメント)」に分類されるものがあるということです。
例えば、「チョコラBB」の中にも医薬品と食品がありますが、私たちが本当に効果・効能を期待するのであれば、迷わず「医薬品」の方を選ぶべきです。
医薬品は、有効成分の含有量や純度、製造工程に至るまで、国の厳格な審査と基準をクリアしています。
これにより、表示通りの効果が期待でき、品質が安定していることが保証されています。
また、手軽に摂取できるドリンクタイプの栄養補助食品を選ぶ際には注意が必要です。
これらには糖質や合成甘味料、香料などが多く含まれていることが珍しくありません。
余計な成分を摂取したくない場合は、錠剤やカプセルタイプを選ぶことを強く推奨します。これにより、本当に必要な栄養素だけを効率的に摂取することが可能になります。
最適な医薬品を見つける|薬剤師との連携の重要性
「医薬品が良いのは分かったけれど、具体的に自分には何が合っているのだろう?」と疑問に思う方もいるかと思います。
そんな時に頼りになるのが、薬剤師の方です。
薬剤師は薬の専門家であり、私たちの体質や抱えている症状、ライフスタイルに合わせた最適な医薬品を提案してくれます。
例えば、一言に「ビタミン」と言っても、ビタミンA、B、C、D、Eなど多岐にわたり、それぞれが異なる役割と効果を持っています。
自己判断で選ぶのではなく、専門家である薬剤師に相談することで、無駄なく、そして効果的に栄養を補給することができます。
親身になって相談に乗ってくれる薬剤師と良い関係を築くことは、長期的な健康維持にも繋がります。
自分の身体の状態を理解した上で、適切なアドバイスをくれるかと思います。
医薬品はサプリメントに比べて価格が高めに設定されていることが多いですが、その確かな品質と期待できる効果を考慮すれば、決して高い買い物ではありません。
サプリメントが「食品」として何の基準もないのに対し、医薬品は厳格な基準のもとで品質が保たれています。
安心して身体に取り入れることができます。
医薬品とサプリメント|それぞれのメリット・デメリットを理解する

どちらを選ぶべきかを判断するために、医薬品とサプリメントそれぞれの長所と短所を詳しく見ていきましょう。
医薬品の長所
- 信頼できる素材を使用している
原料の選定から製造過程まで、厳格な品質管理が行われています。 - 品質が確保されている、劣化しにくい
国の定めた基準をクリアしており、有効成分の含有量や純度が保証されています。
安定性も高く、品質が劣化しにくいです。 - 効果・効能が明確に記載されている
科学的根拠に基づいた効果・効能が明記されており、何に効くのかが分かりやすいです。 - 十分な栄養素を含んでいる
期待される効果を発揮するのに十分な量の有効成分が含まれています。
医薬品の短所
- 栄養素は基本的に合成された物
天然由来の成分よりも、合成された成分が主に使用される傾向があります。 - 添加物が意外と多い
錠剤化や安定化のために、着色料や結合剤などの添加物が含まれることがあります。 - 単一の成分の物が主体で、多くても数種類の組み合わせた物しかない
特定の症状や栄養素に特化したものが多く、マルチビタミンやマルチミネラルのような複合的な製品は少ないです。
サプリメントの長所
- ヘム鉄など医薬品にはない天然素材由来の物がある
天然由来の成分や、特定の加工法によるユニークな成分を含む製品が存在します。 - マルチビタミン、マルチミネラルなど多種類の栄養素を組み合わせた物がある
一度に多くの種類の栄養素を摂取できる複合製品が豊富にあります。 - 病名がなくても使える
健康維持、美容、ダイエットなど、特定の病気でなくても気軽に利用できます。
サプリメントの短所
- 食品なので効果・効能は謳えない、摂取方法もわかりにくい
法的に「食品」に分類されるため、具体的な効果・効能を表示できません。
推奨される摂取方法も曖昧なことがあります。 - 品質の基準がないので低品質な物が多く劣化する
製造基準が緩いため、有効成分の含有量が少なかったり、品質が安定しなかったりする製品が多いです。
保管状態によっては劣化しやすいこともあります。 - 良い物かどうかの判断が非常に難しい
豊富な種類がある中で、本当に質が良く効果が期待できる製品を見分けるのは専門家でも困難です。
まとめ|賢い選択で健康を守る
サプリメントはあくまで「食品」であり、医薬品とは全く異なる基準で製造・販売されていることを改めて理解することが重要です。
本当に質の良いサプリメントを見つけ出すことは「至難の業」と言っても過言ではありません。
そのため、栄養補給を目的とするならば、品質が保証された「医薬品基準の製品」を選ぶことが、失敗を避けるための最も確実な方法と言えます。
市場には安価なサプリメントも数多く存在しますが、その価格と品質は必ずしも比例しません。
何がどれだけ含まれているのか不明確で、品質も疑わしい可能性が高いサプリメントを使用することは、健康に対するリスクを伴います。
でしたら、ビタミンやミネラルの補給は、国がその品質と効果を認めた「医薬品基準の製品」を選んだほうがいいかと思います。
ご自身の健康状態や目的に合わせて、どのような医薬品が良いか、薬剤師に相談してみてはいかがでしょうか。
参考書籍⇒サプリメントの正体







